カウボーイ家族の店舗は現在どこに?全店閉店の理由と跡地のいま
豪快に焼き上げられた肉厚のハンバーグやステーキ、そしてソフトクリームやカレーまで食べ放題の充実したサラダバー。かつてファミリー層を中心に絶大な支持を集めたファミリーレストラン「カウボーイ家族」の看板を、ふと思い出して懐かしくなる瞬間はないでしょうか。「久しぶりに家族で行ってみたい」「近所のあの店舗はまだ残っているのだろうか」と検索窓に店名を打ち込む人が後を絶ちません。
しかし、全国の街並みからそのアメリカンカントリー風の陽気な店舗は静かに姿を消しました。ネット上では「実はどこかに隠れ店舗があるのではないか」「全店閉店したというのは本当か」といった疑問が飛び交っています。本稿では外食産業の取材データと決算資料をもとに、カウボーイ家族の現在の実態、ブランド消滅の裏にあった経営再編のドラマ、そして各地の跡地の状況まで詳しく紐解いていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:カウボーイ家族は2022年9月の福岡「春日店」閉店を最後に国内全店舗が完全閉店しており、現在営業中の店舗は存在しない。
- 要点2:消滅の背景には、原材料高騰・コロナ禍によるバイキング打撃に加え、親会社ロイヤルホールディングスの構造改革と高付加価値路線への集中があった。
- 要点3:跡地は親会社の看板ブランドである「ロイヤルホスト」への原点回帰や他チェーンへ転換されており、あの豪快な体験は別業態へ引き継がれている。
【真相】カウボーイ家族の店舗は現在どこにある?最後の一店舗のその後

結論から申し上げますと、ステーキやハンバーグ、豊富なサラダバーで一世を風靡した「カウボーイ家族」の店舗は、現在、日本国内に1店舗も残っていません。ネット上で「どこかでまだ営業しているらしい」と噂されることがありますが、これは過去の情報がアーカイブとして残っていることによる誤解です。
かつて関東・関西・九州を中心に最大39店舗を展開していた同チェーンですが、2020年以降の急激な社会変動と外食不況の波を受け、急速に店舗数を縮小させました。そしてブランドの命運を最後まで背負っていた最後の一店舗が、福岡県春日市にあった「カウボーイ家族 春日店」でした。
ロイヤルグループ発祥の地である福岡の地で孤軍奮闘を続けていた春日店でしたが、2022年9月30日をもって惜しまれつつ閉店。この営業終了をもって、カウボーイ家族は約12年にわたる歴史に完全に幕を下ろすこととなりました。現在、公式の店舗検索ページを開いても該当する店舗は一切表示されず、ブランドそのものが営業を終了した状態にあります。
なぜカウボーイ家族は潰れたのか?ロイヤルHDが下した事業再編の裏側

あれほど週末になれば家族連れで大行列を作っていたチェーンが、なぜ忽然と姿を消すことになったのでしょうか。「客足は入っていたはずなのに、なぜ潰れたのか」と首を傾げるファンは少なくありません。その背景には、単なる集客の浮き沈みにとどまらない、外食産業特有の構造的要因とロイヤルホールディングスの事業再編という大きな経営判断が存在しました。
第一の要因は、2010年代後半から断続的に押し寄せた「ミートショック(牛肉調達価格の高騰)」と原材料費・人件費の急上昇です。カウボーイ家族は、手頃なセット価格の中に本格的なアンガス牛ステーキや合挽きハンバーグを含め、さらにサラダ、パスタ、カレー、デザートが食べ放題という「圧倒的なコストパフォーマンス」を売りに激しい競争を勝ち抜いてきました。しかし、このビジネスモデルは極めて薄利多売の構造であり、原価率が跳ね上がった際に利益を確保することが極めて困難になります。
第二の要因としてトドメを刺したのが、2020年春以降の新型コロナウイルス感染拡大でした。客自身がトングを持って料理を取り分けるバイキング形式のサラダバーは、衛生面への懸念から営業の制限を余儀なくされ、ファミリー層の来店頻度が激減。客単価の維持と感染対策コストの双方が重くのしかかり、採算性は一気に悪化しました。
そして決定打となったのが、運営元であるロイヤルホールディングスが打ち出した抜本的な経営方針の転換です。同社は「ロイヤルホスト」をはじめ「天ぷら てんや」「シズラー」などを傘下に持ちますが、コロナ禍からの再生にあたり「不採算業態の縮小」と「高付加価値・高単価業態への経営資源集中」を断行しました。薄利多売で競合の多いロードサイド型ステーキ業態から撤退し、ブランド力が高く利益率を見込める既存の主力事業に投資を集中させる判断が下されたのです。
カウボーイ家族とロイヤルホストの決定的な違い|客単価とポジショニングの矛盾

カウボーイ家族を語るうえで見落とせないのが、同じグループの旗艦ブランドであるロイヤルホストとの違いです。もともとカウボーイ家族の店舗の多くは、業績が伸び悩んでいた地方や郊外のロイヤルホスト店舗を改装・転換して誕生した経緯を持っています。
当時、競合の「ステーキガスト」や「ブロンコビリー」「ビッグボーイ」などがサラダバー付きステーキでシェアを伸ばす中、ロイヤルグループとしても客単価1,200円〜1,800円前後のファミリー層を確実に取り込むための対抗策として打ち出したのがカウボーイ家族でした。内装をカントリー調に一新し、スタッフを「カウボーイ」「カウガール」と見立てて家族連れを歓迎する世界観を構築したのです。
しかし、高品質な洋食を丁寧なフルサービスで提供し、客単価2,000円〜3,000円前後のアッパーミドル層を狙うロイヤルホストに対し、カウボーイ家族はセルフサービスのバイキングを主軸とした大衆志向。グループ内で客層とオペレーションのミスマッチが生じ、結果として自社内での食い合いやブランド価値の希薄化を招くリスクを常に抱えていました。グループ再構築の局面において、どちらを守るべきかとなった際、創業以来の看板であるロイヤルホストに軍配が上がったのは必然の流れだったと言えます。
【データ比較】何が明暗を分けたのか?大手ステーキ・サラダバーチェーンの検証
過酷なステーキ・サラダバー市場において、なぜカウボーイ家族は撤退を余儀なくされ、他社は現在も生き残っているのか。当時の業界構造と各ブランドの戦略の違いを比較検証します。
| ブランド名 | 主力メニューと特徴 | 推定客単価(当時・現在) | 編集部の見解・生き残り戦略の差 |
|---|---|---|---|
| カウボーイ家族(撤退) | ハンバーグ・ステーキ+総合サラダバー(カレー・パスタ・ソフト) | 約1,300円〜1,800円(撤退時) | 薄利多売のロードサイド型だったため原価高騰の打撃を直撃。グループ方針で撤退。 |
| ブロンコビリー(存続・成長) | 炭火焼きがんこハンバーグ・産直新鮮サラダバー・大かまどごはん | 約1,800円〜2,600円 | 「炭火焼き」と「専門性の高いサラダバー」で差別化。客単価を適正に引き上げ高収益化に成功。 |
| ステーキガスト(再編中) | ステーキ各種・充実の健康サラダバー(すかいらーく系列) | 約1,200円〜2,000円 | グループの巨大な仕入れ力を生かして踏みとどまりつつも、近年は都市部中心に統廃合を進める。 |
| シズラー(ロイヤルHD系列) | プレミアムサラダバー・グリル料理(高価格帯) | 約3,500円〜5,000円 | 同グループの高級サラダバー業態。都心一等地に特化し、富裕層やインバウンド需要を獲得。 |
このデータ比較から明白なように、現在も堅調な成長を続ける「ブロンコビリー」などは、サラダバーのクオリティを産直野菜や季節限定惣菜に特化させ、客単価をしっかり引き上げる戦略を取りました。一方で、低価格帯バイキングに踏みとどまろうとしたカウボーイ家族は、高騰するコストを吸収しきれず、グループ内のプレミアム業態である「シズラー」との住み分けからも零れ落ちてしまったことが読み取れます。
関東・関西・福岡の店舗跡地はどうなった?消えた店舗の現在を徹底追跡
かつて日常的に通っていたあの場所は、いまどうなっているのでしょうか。関東・関西・福岡に展開していたかつての主要店舗の「跡地の現在」を追跡取材すると、いくつかの明確なパターンが浮き彫りになってきます。
最も多いパターンは、「ロイヤルホスト」への再転換(先祖返り)です。もともとロイヤルホストだった立地に作られた店舗が多かったため、内装を重厚で落ち着いたモダン調に再改装し、高級志向のファミレスとして営業を再開したケースが関東近郊のロードサイドなどで目立ちます。一度カウボーイ家族を挟んだことで、再び戻ってきたロイヤルホストの質の高さが再評価されるという現象も起きました。
もう一つのパターンは、他社外食チェーンや別業態への売却・賃貸です。郊外型ロードサイドの広い敷地と大型駐車場を備えた物件は需要が高く、以下のような施設に生まれ変わっています。
- 焼肉チェーンへの転換:「焼肉きんぐ」や「プレミアムカルビ」など、現在勢いのある郊外型バイキング・食べ放題店舗へ変貌。
- 回転寿司・中華チェーンへの転換:「くら寿司」「スシロー」や「バーミヤン」などの大手飲食チェーンによる居抜き出店。
- ドラッグストア・医療モール:建物を解体し、生活密着型のドラッグストア(ウエルシア、クスリのアオキなど)として再開発された事例。
なお、最後の一店舗となった福岡の春日店跡地についても、地域の需要に合わせた新たな商業テナントやグループ関連の活用が進んでおり、当時の「カウボーイ姿の陽気なキャラクター」が掲げられていた看板は完全に撤去されています。
【実態検証】ネットの反応とファンの惜しむ声|サラダバー復活の可能性はあるのか?
全店消滅から時間が経過した現在でも、SNSやネット掲示板ではカウボーイ家族の思い出を懐かしむ投稿が定期的にトレンドに上がります。現場のファンが特に惜しんでいるのは、他のファミレスにはない独特のサービス設計でした。
「あの牛すじカレーのクオリティはファミレスのバイキングレベルを超えていた」
「子どもと一緒に自分でソフトクリームを巻いて、チョコソースをかける時間が最高の思い出」
「合挽きの粗挽きハンバーグにかかっていたデミグラスソースが忘れられない」
ネットの反応を分析すると、単に「肉が安かった」こと以上に、家族団らんのレジャー体験として高く評価されていたことが分かります。では、ファンが待ち望むカウボーイ家族のサラダバー復活の可能性はあるのでしょうか。
外食産業の動向を冷静に見極める限り、「カウボーイ家族」というブランド名での復活の可能性は極めて低いと言わざるを得ません。現在の外食市場では、光熱費・輸入肉・人件費の構造的な高止まりが定着しており、低中価格帯で総合的なバイキングを維持することはビジネスとして成立させにくいためです。ただし、ロイヤルグループが培った「高品質なサラダバー」のDNAは、同社が展開する「シズラー」のサラダバーや、ロイヤルホストのセットメニューの随所にしっかりと受け継がれています。
あの味と満足感をもう一度味わうには?代替チェーンの賢い選び方
カウボーイ家族の消滅によって生じた「肉×サラダバー欲」を埋めるには、どこへ足を運ぶのが正解なのでしょうか。求める体験ごとに適した代替ルートを提案します。
【プロの結論】目的別・おすすめできる店舗の選び方
- 「新鮮な野菜とこだわりの肉」を重視したい人:
迷わず「ブロンコビリー」をおすすめします。オープンキッチンで焼き上げるがんこハンバーグの肉肉しさと、季節ごとにメニューが変わるサラダバーの充実度は、かつてのカウボーイ家族以上の満足度を提供してくれます。 - 「カレーやスイーツまで色々楽しみたい」ファミリー層:
「ビッグボーイ」または「ステーキガスト」が最適です。カレーバー、スープバー、デザートバーが手頃な追加料金でセットにでき、子連れでの使い勝手の良さは当時のカウボーイ家族に最も近い設計です。 - 「多少高くても最高峰のサラダバーを堪能したい」人:
ロイヤルグループの真骨頂である「シズラー(Sizzler)」一択です。客単価は上がりますが、チーズトーストからタコス、本格的なデリサラダまで揃っており、カウボーイ家族の上位互換として至福の時間を過ごせます。
【カウボーイ 家族 店舗】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:カウボーイ家族の店舗は、全国のどこかにまだ1店舗でも残っていますか?
A1:いいえ、残っていません。2022年9月30日に閉店した福岡県の「春日店」を最後に、すべての店舗が営業を終了しており、現在は国内ゼロ店舗です。
Q2:なぜ「カウボーイ家族」という店名だったのですか?
A2:アメリカ西部の開拓時代をモチーフに、店舗スタッフを「カウボーイ」や「カウガール」、来店客を「我が家に迎える家族」に見立て、アットホームで陽気な空間を提供したいというコンセプトから名付けられました。
Q3:ロイヤルホストに行けば、カウボーイ家族と同じハンバーグやカレーが食べられますか?
A3:全く同じメニューはありませんが、ロイヤルグループの強みである高品質な「黒×黒ハンバーグ」や伝統のカレーなど、カウボーイ家族のベースとなった本格的な洋食の味を楽しむことができます。
Q4:ステーキけん、いきなり!ステーキなどとの関係はありますか?
A4:資本関係や直接的な関係はありません。2010年代に「ステーキけん」が切り拓いた居抜き&サラダバー付きステーキ市場の盛り上がりに合わせ、ロイヤルグループが参入したという業界内の競合関係にありました。
まとめ:カウボーイ家族が外食史に残した功績と次世代への教訓
カウボーイ家族の全店撤退は、一見すると不採算ブランドの淘汰に見えるかもしれません。しかしその実態は、時代とともに激変する消費者ニーズとコスト環境に対し、企業が生き残りをかけて行った合理的で決断力のある事業再編の結末でした。
手頃な価格でお腹いっぱい食べられたステーキ、子どもたちが笑顔でレバーを引いたソフトクリームマシン、家族で過ごしたあの賑やかな時間は、多くの人々の記憶の中に色褪せず残っています。かつての店舗跡地は新しい日常の風景へと溶け込みましたが、そこで培われたファミリーレストランとしてのホスピタリティは、いまもロイヤルグループをはじめとする外食各社のサービスの中に息づいています。 (出典: カウボーイ 家族 店舗(Yahoo!ニュース))