伝説のキュアゴリラとは?FUJIWARA原西の神回と公式認定の真相
日曜朝のアニメファンのみならず、多くのお笑い好きの記憶にも強烈なインパクトを残した「キュアゴリラ」という存在。シリーズ20年を超えるプリキュア史において、ゲスト出演した芸人がこれほど長く、かつ熱狂的にネット上で語り継がれている事例は他に類を見ません。新シリーズの追加戦士が告知されるたびに、SNSのトレンド周辺で「今度こそキュアゴリラの実装か」とネタにされる光景は、もはやニチアサ界隈における一種の風物詩です。
しかし、当時の放送をリアルタイムで観ていなかった層からは「そもそも誰が演じていたのか」「何話に出てくるのか」「公式設定として認められているのか」といった疑問の声が絶えません。お笑いコンビ・FUJIWARAの原西孝幸氏が巻き起こした伝説の全貌と、なぜ10年以上が経過した現在も愛され続けているのか、その深層を調査報道の視点から紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:キュアゴリラは『スマイルプリキュア!』第17話(2012年5月27日放送)に登場した、FUJIWARA原西孝幸氏本人によるパロディ名乗り。
- 要点2:誕生の背景には原西氏の筋金入りな「プリキュア愛」があり、制作陣の東映アニメーションが異例のリスペクトを込めて本編脚本に組み込んだ。
- 要点3:作中での公式な演出ではあるものの、歴代プリキュアの公式ナンバリング戦士ではなく「唯一無二の公式公認ゲスト枠」として語り継がれている。
【正体と登場回】キュアゴリラはスマイルプリキュア何話に登場したのか?

謎多き「キュアゴリラ」の正体は、お笑いコンビ・FUJIWARAの原西孝幸氏その人です。架空のキャラクターを声優として演じたのではなく、相方の藤本敏史氏とともに「FUJIWARA本人」として作中に実名で登場しました。
該当のエピソードは、2012年5月27日にテレビ朝日系列で全国放送された『スマイルプリキュア!』第17話「富士山!スーパーイケメンが出た!?」です。物語は、主人公のみゆき(キュアハッピー)たちがテレビ番組のロケで七色ヶ丘を訪れていたFUJIWARAの2人と偶然遭遇することから始まります。
ロケの最中、敵組織・バッドエンド王国の幹部マジョリーナが現れ、周囲の人々から絶望の力「バッドエナジー」を吸い取って街を混乱に陥れます。藤本氏をはじめとする周囲の一般人が次々と無気力状態に倒れ込む中、原西氏だけは持ち前のギャグパワーによってバッドエナジーの吸引に抗い、正気を保ち続けるという前代未聞の展開が描かれました。
目の前に巨大な敵「アカンベェ」が立ちふさがった絶体絶命の危機において、みゆきたちプリキュアを守るため、あるいは事態を打開するために原西氏が堂々と披露したのが、伝説の変身バンク&名乗りシーンでした。
【元ネタと名乗り】「荒ぶる日本の魂」変身シーン誕生の裏側

キュアゴリラを語る上で欠かせないのが、本家プリキュア顔負けのキレ味を誇る名乗り決め台詞とポーズです。本編第17話で披露された口上は、今なおファンの間で完璧に暗唱されるほどの完成度を誇ります。
「荒ぶる日本の魂!キュアゴリラ!」
原西氏は満面の笑みで胸を激しく叩くドラミングを行い、アカンベェを威嚇しながら渾身の決めポーズを炸裂させました。直後、相方の藤本氏から「お前、プリキュアちゃうやろ!ただのゴリラやないか!」と鋭いツッコミが入るまでがワンセットの芸術的なギャグ演出として完成しています。
このシーンが生まれた元ネタは、テレビ朝日系の人気バラエティ番組『アメトーーク!』で放送された「プリキュア芸人」企画にあります。原西氏は当時から、幼い愛娘の影響でプリキュアシリーズに深く傾倒しており、歴代プリキュア全員の変身名乗りとダンスを完全に再現できる「ガチ勢」として業界内で知られていました。
バラエティ番組の悪ノリではなく、作品への並々ならぬ敬意と愛を公言し続けた結果、東映アニメーションの制作スタッフ陣がその熱意に応える形で本編への逆輸入を提案。単なる客寄せのゲスト出演に留まらず、原西氏の持ちネタであるゴリラギャグとプリキュアの名乗り構造を極限まで融合させた奇跡の脚本が誕生したのです。
【公式認定の真相】歴代戦士に含まれる?東映アニメーション公式の扱いを検証

ネットコミュニティでは長年、「キュアゴリラは公式認定されたプリキュアなのか?」という議論が定期的に巻き起こります。結論から言えば、「東映アニメーション公式の本編アニメ内で正式に名乗ったキャラクター」ではあるものの、「歴代の正規プリキュア戦士」としてはカウントされていません。
プリキュアシリーズには、映画やイベントを含めて厳格な「公式プリキュア」の基準が存在します。東映アニメーションの公式ポータルサイトや周年記念のオールスターズ一覧において、キュアゴリラが正規の戦士としてリストアップされた記録はありません。実態を客観的に整理したデータ比較は以下の通りです。
| 検証項目 | キュアゴリラ(FUJIWARA原西) | 一般的な正規プリキュアの基準 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 放送媒体・登場区分 | TVシリーズ本編(スマイル第17話) | TVシリーズ本編のメインキャラクター | 本編映像として制作・放送された事実は完全な公式演出。 |
| 変身アイテムの有無 | なし(地声と肉体アクションのみ) | スマイルパクト等の公式変身デバイス | 魔法の力やアイテムに依存しない純粋なフィジカル名乗り。 |
| 衣装の物理的変化 | なし(タレント衣装のまま) | コスチューム、髪型、髪色の変化 | 変身エフェクトの作画はあるが、衣装自体は変わっていない。 |
| 公式アーカイブ掲載 | 歴代戦士一覧には非掲載 | 東映公式「歴代プリキュア」に登録 | 「特別ゲスト枠」であり、公式認定の正規戦士ではない。 |
| 商標登録・玩具展開 | 商品化実績なし | バンダイからの玩具・ドレス展開あり | 商業ベースに乗らない純粋な劇中ギャグとしての位置付け。 |
このようにデータ上は非公式戦士の枠を出ないものの、制作陣が本気で原画を起こし、専用の効果音とカメラワークを用意して作画された演出は、ファンの間では「実質的な名誉プリキュア」として認知されています。公式が本気で遊んだからこそ、視聴者もまた敬意を持って「公式公認のネタ」として扱い続けているのです。
【実態検証】なぜ10年以上愛されるのか?SNSの反響とファンコミュニティの熱狂
なぜ一介のお笑い芸人によるパロディが、これほど長期にわたりファンの心を掴んで離さないのでしょうか。SNS上の言及傾向やファンコミュニティの声を詳細に分析すると、3つの明確な理由が浮かび上がってきます。
第1に、「本物の作品愛」が透けて見える点です。芸能人がアニメにゲスト出演する際、宣伝目的が前面に出すぎると既存ファンから反発を招くケースが少なくありません。しかし原西氏の場合、アメトーーク!等で見せた「全プリキュアの変身バンクを完璧に踊れる」という圧倒的なリスペクトが土台にありました。ファン側も「原西さんなら仕方がない」「むしろもっとやってくれ」と好意的に受け入れた土壌が存在しました。
第2に、作中における絶妙なバランス感覚です。第17話の劇中でキュアゴリラは名乗りを上げるものの、敵を自力で撃破することはできません。アカンベェの反撃に怯み、最終的には変身したキュアハッピーやキュアサニーたち本職のプリキュアによって助けられます。あくまで「主役である少女たちを立てる」というストーリーテリングの不文律を一切崩さなかったことが、後味の良さを生み出しました。
第3に、SNS時代における「ミームとしての使い勝手の良さ」です。新シリーズが発表される毎年1月や、追加戦士のシルエットが解禁される初夏になると、X(旧Twitter)では「次の黄色枠は誰だ」「シルエットがゴリラに見える」といった投稿が毎年のように数千件単位で拡散されます。ニチアサ視聴者の共通言語として、キュアゴリラは世代を超えたネットミームに昇華しています。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|「変身できていない」という決定的事実
長年ネットミームとして定着した結果、リアルタイムを経験していない世代を中心に、いくつかの事実誤認が広まっています。最も代表的な誤解が「原西は実際にピンクや緑のプリキュア衣装に変身した」という記憶の改変です。
実際のアニメ映像を確認すると、背景にプリキュア特有のカラフルな変身エフェクトや光の粒子は描かれているものの、原西氏の服装はロケ用のカジュアルなタレント衣装のまま一切変化していません。髪型も普段の原西氏そのものであり、魔法の力で美少女化したり、専用のスーツを身に纏ったわけではないのです。
また、「藤本敏史氏も別のキュアを名乗った」という噂も散見されますが、これも誤りです。藤本氏は終始ツッコミ役に徹しており、名乗りを上げたのは原西氏単独でした。さらに、原西氏はのちのシリーズである2023年放送の『ひろがるスカイ!プリキュア』において「キュアウィング」というシリーズ初の公式レギュラー男子プリキュアが登場した際にも、「先代の男子プリキュアはキュアゴリラだったのでは」と再びネット上で引き合いに出されるなど、歴史の節目ごとに誤った文脈で召喚される傾向があります。
これらの誤解が生じること自体、視聴者の脳内に「あたかも本当に変身していたかのような強烈な残像」を焼き付けた演出の勝利と言えるでしょう。
【プロの結論】キュアゴリラ回を今すぐ見るべき人とその視聴方法
『スマイルプリキュア!』第17話は、シリーズ全体の文脈を知らなくても単体エピソードとして極めて高いエンターテインメント性を誇ります。視聴を強くおすすめできる層と、ややミスマッチとなる層の基準を明確に提示します。
おすすめできる人の条件
- ニチアサ特有のカオス回・ギャグ回が好きな人:『スマイルプリキュア!』はシリーズ屈指のコメディ特化作であり、その頂点の一つがこの第17話です。肩の力を抜いて爆笑したい時には最適なエピソードです。
- バラエティとアニメの幸福なコラボレーションを体験したい人:芸人ゲスト回特有の棒読み感や違和感が極めて少なく、本人の芸風と作画が見事にシンクロした奇跡的な掛け合いを堪能できます。
- プリキュアの歴史的ネットミームの原典を押さえたい人:SNSで毎年擦られ続ける「キュアゴリラネタ」の文脈を完璧に理解したい場合、必見の教養エピソードと言えます。
見送っても差し支えない人の条件
- シリアスで重厚なストーリー展開のみを求める人:第17話は徹底したコメディ回であり、作品の根底に関わるシリアスな伏線回収や重層的なドラマを期待して観ると肩透かしを食らう可能性があります。
現在、『スマイルプリキュア!』は東映アニメーションオンデマンドをはじめ、U-NEXTやdアニメストア、Amazon Prime Videoの東映アニメチャンネルなど、主要な各種動画配信プラットフォームで全話デジタル配信されています。第17話は単独レンタルや定額見放題の対象となっているため、いつでも手軽に伝説の変身シーンを自身の目で確かめることが可能です。
【キュアゴリラ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:キュアゴリラの変身セリフ・決め台詞は何ですか?
A1:正式な台詞は「荒ぶる日本の魂!キュアゴリラ!」です。変身アイテムは使用せず、胸を力強く叩くドラミングのアクションとともに満面の笑みで名乗りを上げます。相方・藤本氏の「お前、プリキュアちゃうやろ!」というツッコミまでを含めて1つの完成されたシークエンスとなっています。
Q2:公式グッズやプリティストアでのグッズ展開は過去にありましたか?
A2:公式キャラクターショップ「プリティストア」やバンダイの公式グッズとして、キュアゴリラ単体の変身トイやアクリルスタンド等が一般販売された事実はありません。あくまでテレビアニメ本編の1エピソード限りの特別なゲスト演出として扱われています。
Q3:劇場版(映画)やプリキュアオールスターズにもキュアゴリラは登場していますか?
A3:歴代の映画作品や『プリキュアオールスターズ』『プリキュアミラクルユニバース』等のクロスオーバー映画には一切登場していません。登場回はTVシリーズ『スマイルプリキュア!』第17話のみですが、その一度きりのインパクトが強烈であったため、複数回登場したかのように記憶している視聴者が多く存在します。
まとめ:色褪せないリスペクトが生んだニチアサの伝説
「キュアゴリラ」という希代の珍現象は、単なるタレントのタイアップ企画の枠を遥かに超え、出演者の純粋な作品リスペクトと、それを受け止めたアニメ制作陣の遊び心が共鳴して生まれた奇跡の産物でした。
正規のプリキュア戦士ではないにもかかわらず、放送から長い年月が流れた今なおニチアサファンの心に鮮烈に生き続けるキュアゴリラ。今後どれほど新しいプリキュアシリーズが生み出されようとも、原西孝幸氏が刻んだ「荒ぶる日本の魂」は、プリキュアの歴史における最も愛された番外編として語り継がれていくはずです。 (出典: キュアゴリラ(Yahoo!ニュース))